LINCLE 導入事例
東京都 ゆうき薬局
株式会社桜々 代表取締役 上野孝幸さん

ゆうき薬局では、在庫管理システム「LINCLE」の導入によって「在庫金額の圧縮」と「欠品・廃棄ロスの削減」の両立を実現しました。劇的な業務改善の裏にあったのは、場所を選ばないクラウド型システムの柔軟な利用と、来局予測機能を駆使した発注コントロールです。「これからの時代の生き残りをかけて、システム導入は避けて通れません。」そう語る代表取締役の上野さんに、経営戦略としての在庫管理術を語っていただきました。

─こちらの薬局の特徴を教えてください。
上野社長: 当薬局は開局して20年ほど経ちます。駅が近く、通りに面していることもあり、地域の方々には広く認知していただけていると思います。駅近という立地から、面処方が2割ほどあるのも特徴です。
─LINCLE導入の経緯についてお聞かせください。
上野社長: メディカルシステムネットワークさんからのご紹介でLINCLEを知ったのですが、興味を持ったのは「クラウド型のシステム」だったことです。それまで利用していたシステムはクラウドに対応しておらず、薬局内の決まったPC1台でしか操作できないことが大変不便でした。その点、LINCLEはインターネット環境さえあればどこでもログインできるのが魅力的でした。現在は薬局内のPC4台で利用しています。薬局外でも使えるため、本社からも在庫状況が確認でき、非常に助かっています。
─LINCLEの導入を検討するにあたり、他のシステムと比較はされましたか。
上野社長:知り合いの薬局で使用しているシステムなど、3つほど比較しました。その中でLINCLEが良かった点は、不動品の検索と出品が簡単に行えることですね。メディカルシステムネットワークさんの「デッドストックエクスチェンジ※」を利用しているのですが、LINCLEを導入してからはその作業が非常に簡単になりました。不動品を増やさず適正な在庫量を維持するには、定期的なデッドストックエクスチェンジの利用が有効です。
また、他のシステムに比べて操作が分かりやすいのも魅力です。デザインや操作性が優れているので、マニュアルを見なくても直感的に使えます。発注業務の経験がある方なら、画面を見るだけでどう操作すれば良いかが分かるようになっています。
【デッドストックエクスチェンジについて】
当社(株式会社メディカルシステムネットワーク)が提供する不動在庫消化サービス。廃棄リスクの高い不動在庫を医薬品ネットワーク加盟店同士で売買できる独自のシステムです。

─発注業務に変化はありましたか。
上野社長:LINCLE導入後は、自動計算による発注、手動発注、来局予測を状況に合わせて使い分けるようになりました。特に来局予測は積極的に活用しています。
─どのようなときに来局予測を使用されるのでしょうか。
上野社長:長期処方の患者さまへの対応時に非常に役に立ちます。初回の処方を受けた際、次回の処方を見越して在庫を確保しても、患者さまが来局されなければ不動在庫になってしまいます。発注するかどうかの判断はどこの薬局でも迷うところだと思います。しかし、LINCLEの来局予測は、必要となる月に、必要な量を自動で発注カートに入れてくれます。次回の処方まで期間があるのに早く発注してしまい、返品期間が過ぎてしまうといったリスクを防げます。無駄な在庫を減らすために、来局予測は経営においてなくてはならない機能だと感じています。
─LINCLEの発注機能をフル活用されていますね。発注業務の具体的な運用はどのようにされていますか。
上野社長:発注は主に3名体制で行っています。LINCLEなら薬剤師でなくても問題なく発注業務が行えるため、事務スタッフを担当に含めています。毎日決まった時間に発注量が自動計算されるので、私たちはその結果をサッと確認して発注します。本当は確認せずに自動発注まで任せたいところですが、先程の来局予測のチェックも兼ねて、あえて人の目で確認しています。それでも1日1回、10分程度で終わります。それ以上の時間はかかりません。現場の効率化は劇的に進んだと思います。
─自動計算で対応できない医薬品にはどのようなものがありますか。
上野社長:まずは出荷制限中の医薬品ですね。短期間の内に状況が変わりやすく、入荷の予測が立たないもの。これはLINCLEのバーコード発注機能を使って発注をしています。あとは外用薬です。当薬局は皮膚科の処方が多いため、包装単位ごとに細かい管理が必要なものに関しては、状況を見ながら手動発注をしています。
─導入してから業務が軌道に乗るまでどれくらいの時間がかかりましたか。
上野社長:1ヶ月ほどでしょうか。導入当初は以前のシステムからのデータ移行で一部調整が必要だったり、日々の操作で確認したいこともあり、サポート窓口に問い合わせることが多かったです。LINCLEのサポートの方には大変お世話になりました。おかげさまで、今では問い合わせることは非常に少なくなりましたね。

─LINCLEの導入前後で在庫の状況は変わりましたか。
上野社長:在庫金額が減少しました。経営者として、キャッシュフローの観点で見て非常に助かっています。必要な医薬品は確保しつつ、むやみに品目数を増やさないようにしています。当薬局の立地と処方箋枚数を考えると、品目数は少ない方だと思います。面処方が多いとあれもこれもと発注したくなりますが、品目数を増やすと不動在庫も増えてしまいます。LINCLEの来局予測や発注数の調整機能を活用することで、品目数を抑えつつ、欠品を出さない運用ができています。
─LINCLEの良さを感じられるのはどんなところでしょうか。
上野社長:「受払機能」は非常に使いやすいですね。在庫していない医薬品が必要になった際、近隣の薬局間で在庫を融通し合うことがあります。受払機能では「いつ、どこの薬局から譲受したか」の履歴をすぐに確認できます。
「あ、この薬は以前あそこの薬局からもらったな」と分かるので、また同じ医薬品が必要になった際、すぐにその薬局へ連絡できます。もしこの機能がなければ、近隣の薬局に1件ずつ電話をかけて在庫があるか探さなければなりません。それは時間の無駄ですし、非効率ですから。
それと繰り返しになりますが、クラウド型である点もやはり大きな利点です。4台のPCで同時に見られるので、急ぎの調達が必要なときも、患者さまに対応しているスタッフがその場で履歴を調べて説明できます。患者さまをお待たせすることが少なくなります。
また、人の入れ替えがあって発注担当者が不在になった際、私が薬局の外から遠隔で発注業務を行うこともありました。クラウド型だからできたことだと実感しましたね。

─これからLINCLEを導入しようか検討している方に一言お願いします。
上野社長:もし、発注量の計算や自動発注ができるシステムをまだ導入されていないのであれば、すぐに入れた方がいいと思います。在庫管理システム一つで業務効率は格段に上がります。残業も減りますし、薬剤師以外のスタッフでも在庫管理ができるようになるため、薬剤師は本来の業務である、患者さまへの対応に時間を使えるようになります。その上で、どうしても出てしまう廃棄や不動在庫については、「デッドストックエクスチェンジ」を利用して減らしていけばいいですよね。
システムの導入を躊躇していると、環境の変化についていけず、生き残れなくなくなる恐れがあります。調剤報酬改定も控えていますし、スピード感を持って対応できるよう考えなければいけません。薬局経営を考えたら、在庫管理システムは「なくてはならないもの」だと思います。
─ありがとうございました。
| 品目数 | 約1,200品 |
|---|---|
| 処方箋応需枚数 | 約2,200枚/月 |
| 人数規模 | 薬剤師3名 事務スタッフ2名体制 |
