LINCLE 導入事例
福岡県 さくら薬局新宮中央駅前店
薬局長:森田みゆきさん
事務スタッフ:三好裕子さん
さくら薬局新宮中央駅前店では、LINCLEの導入により業務プロセスの大幅な改善を実現しています。具体的には対物業務の削減と、事務スタッフへのタスクシフトに成功しました。この効果により薬剤師が時間を有効活用し、患者さまとじっくり向き合う対人業務に集中できる環境を生み出しました。
薬局長の森田さん、事務スタッフの三好さんからお話を伺いました。
─さくら薬局新宮駅前中央店の特徴をお聞かせ下さい。
森田さん: 主に門前の皮膚科、整形外科からの処方箋応需が多いです。面処方の割合は少ないですが、徐々に増加してきています。
面処方が増えてきているのは、近隣に新しいマンションが建設されたことが理由の一つだと思います。利用される患者さまは近隣にお住まいの方が多いですね。
門前の皮膚科、整形外科に来ていただいている方が、他の医療機関からの処方箋をお持ちになることも少なくないです。
三好さん:他にも面処方が増えているのは、「つながる薬局」※というLINEを活用したサービスの影響も大きいと感じています。
このサービスでは患者さまが来局前に処方箋を薬局に送信できます。特に、小さなお子さんがいる世帯の方で、待ち時間を苦に感じる方々には好評です。
患者さまに「つながる薬局を使えばLINEで処方箋が送れるんですよ。待ち時間が少なく済みますよ」と説明をすると、「そういう機能があったら是非使いたい」と言ってくれますね。
遠くの医療機関にかかる場合でも、このLINEサービスを通じて処方箋を事前に送信することで、医薬品を受け取る際の待ち時間を短縮できます。「子供がいるので待ち時間が負担」という要望にうまく合っています。
【つながる薬局について】
株式会社ファーマシフトが提供するLINEを活用したかかりつけ薬局化支援サービス。
処方箋送信、お薬手帳、服薬フォロー、オンライン服薬指導・決済等の機能がオールインワン。
森田さん:面処方の場合、在庫がない医薬品を求められることがあります。最近では出荷調整の影響で、発注しても納品されない医薬品も多いです。
そんなとき、LINCLEの他店在庫参照機能が役に立ちますね。特に徒歩圏内にある系列店のさくら薬局アーバンモール新宮店とのやり取りが多いです。在庫があればすぐに取りに行けますし、近隣の薬局で小分けしてもらうことができるのは非常に助かっています。
三好さん:急な要望にも対応できるよう、自転車を用意してすぐに行けるようにしています。患者さまには「あと数分でお渡しできるのでお待ちください」とお伝えすることでご理解いただいています。
─LINCLEの他店在庫参照機能をよく利用されているんですね。
三好さん:LINCLEでは他店舗の在庫状況を詳細に確認できます。どの店舗に何錠あるとか、不動期間も分かります。近隣の薬局かつ不動期間が長い順で小分けしてもらえないか相談するように考えています。
森田さん:不動期間が長いと小分けしてもらえるかも。と判断ができるのですごく助かっています。
三好さん:不動期間が長くなると有効期限が切れて廃棄になってしまう可能性があります。そのため、お互いにメリットがあるんですよ。動かない医薬品を引き取ってもらえれば経費削減につながりますし。
─LINCLEを導入していかがですか。
森田さん:LINCLEのおかげで発注や仕入れがかなり楽になりましたね。
三好さん:本当に作業が早くなりました。以前は医薬品ごとの動きを時間をかけて確認しながら、発注対象と発注量を決めていたんです。でもLINCLEでは需要予測機能が発注対象や発注量を計算して発注カートに入れてくれます。
さらに発注カートから直接、医薬品の処方状況の画面にアクセスできるので、手間なくチェックできるんです。発注業務にかかる時間も短縮されました。
森田さん:仕入れでは、ロット番号や有効期限が医薬品卸からの納品データを元に自動で入力されるので便利ですよ。
─発注業務には、1日どのくらいの時間をかけていますか。
三好さん:30分もかからないですね。大体15分くらいで済んでいます。
森田さん:発注カートに手動で発注対象を追加する作業がなければもっと時間を短縮できるんですけどね。うちでは軟膏を扱っているので、ボトルとチューブといった違いがあり、少し手間がかかっています。そのため、他の薬局と比べると少し時間がかかっているかもしれません。
三好さん:でも、軟膏もバーコードをスキャンするだけで読み込めるから、かなり楽になりましたよ。LINCLEを使い始めてからは、気になる部分だけをチェックすればいいので手軽です。いつどの患者さまに処方される予定かが分かるので本当に便利ですね。
─発注業務は三好さんがメインで担当されているのでしょうか。
森田さん: うちはタスクシフトを積極的に進めています。タスクシフトとは、薬剤師が担当していた医薬品の発注や在庫管理を、事務スタッフの業務へと移行する取り組みです。
もう在庫管理はほとんど事務スタッフがやってくれています。LINCLEがそれを可能にしたんですよ。薬剤師でなければ商品名を見ても、一般名や成分名は分からないと思います。それを間違えることなく選ぶことができたり、包装規格を確認できるようになりました。薬剤師でなくても発注業務ができるようになったのはLINCLEのおかげです。
三好さん: 私だけではなく、事務スタッフ全員でシフトを組んで発注業務を分担しています。すべての事務スタッフがLINCLEを操作できるので、誰でも普段の発注や在庫がない医薬品の対応ができるような状態になっています。
森田さん: LINCLEには申し送りが記載できる欄もあって情報共有が簡単になり、特定の人ではなく全員で在庫管理や発注業務を行えるようになりました。だから、担当を一人に固定しなくてもいいんです。
三好さん: LINCLEでは医薬品毎の備考欄に不足している医薬品、出荷調整の情報を記入できます。他の事務スタッフが発注する際も、備考欄の情報を確認することで、発注前に状況を把握できます。誤発注や無駄な対応が減ります。みんなで共通認識を持っていますね。
─タスクシフトを実現するためにLINCLEが役に立っているのですね。
三好さん: 特に医薬品の不足対応が事務スタッフでも可能になったのは、大きなメリットです。 患者さまをお待たせしないように、ということを優先して考えています。LINCLEのおかげで事務スタッフが在庫管理業務に参加できるので、薬剤師の患者さまへの対応がスピーディーに行えるようになっています。
森田さん: 以前は、薬剤師が投薬準備の段階で初めて医薬品の不足に気付くことが多かったのですが、今では処方箋受付の段階で事務スタッフに対応してもらえるので、患者さまをお待たせすることが減りました。
─発注業務以外で効率化を感じたことはありますか。
森田さん: 麻薬年間届の作成がかなり楽になりました。以前は医薬品をひとつずつ確認しながら表を作成していました。それがもう一括で出力できるので本当にありがたいです。地域によって異なる様式への対応も、コピーして貼り付けるだけで完了します。麻薬の帳簿との照合も必要ですが、めちゃめちゃ楽です。特に9月は麻薬の締めと棚卸が重なる忙しい時期なので、作業時間の短縮はすごく嬉しい。
─これからLINCLE導入をご検討されている方に伝えたいことはありますか。
三好さん: LINCLEを導入したことで私のような事務スタッフでも医薬品の発注が可能になりました。他店舗の在庫や不動期間の確認も簡単です。他には先発品と後発品の名称や在庫数を確認でき、より安価な医薬品を検索することもできます。
薬剤師に頼らずにこれらの専門的な業務を事務スタッフで完結できるのはLINCLEのおかげです。発注のたびに薬剤師に聞いていたら監査や投薬が止まってしまい、患者さまをお待たせしてしまいます。
専門知識に乏しい事務スタッフが対物業務を行おうとしたらLINCLEのようなシステムが必要なのだと思います。薬局の業務効率化には、薬剤師だけでなく事務スタッフの参加も必要です。LINCLEはそこにぴったりマッチしていますね。
─今後、薬局ではどのような取り組みを強化していきたいですか。
三好さん: 門前だけでなく、他の医療機関からも信頼される薬局を目指していきたいです。あの薬局にはこの薬剤師がいるからとドクターが安心して処方を出せたり、患者さまが安心して医薬品を受け取れるような薬局を作っていきたいですね。
森田さん: タスクシフトが進んでいる分、うちはすごいですよ対人業務。現在は地域連携薬局にも認定されています。事務スタッフが対物業務に参加できるようになったことで、薬剤師に時間を捻出してくれました。これからもどんどん効率化を進めていきたいです。
三好さん: 最初は対物業務に対する不安がありましたが、LINCLEがあるからこそ、事務スタッフも対物業務ができています。薬剤師には投薬時の服薬指導や服薬フォローなど、患者さまのために時間を使ってもらいたい、そのために自分たちが何ができるかをいつも考えています。
─森田さん、三好さんのお話から、薬剤師と事務スタッフが一丸となって患者さまのために取り組まれていると感じることができました。ありがとうございました。
品目数 | 約1,600品 |
---|---|
処方箋応需枚数 | 約3,000枚/月 |
人数規模 | 薬剤師7名、事務スタッフ4名体制 |