LINCLE 導入事例
福岡県 さくら薬局水谷店
薬局長:寺田由紀子さん
さくら薬局水谷店では、LINCLEを活用して在庫管理業務における薬剤師と事務スタッフの垣根をなくしました。さらに薬局内での情報共有、意識の統一を図り、特に廃棄ロスの削減に力を入れています。
薬局長の寺田さんにLINCLEの活用方法についてお話をお伺いしました。
本記事の内容を元にLINCLEの導入効果を検証し、その結果をグラフ化しました。こちらのリンクより資料をダウンロードし、ご覧いただけます。「在庫の減少」や「廃棄ロスの削減」がどのように達成されたのか詳しく解説しています。ぜひ合わせてお読み下さい。
─薬局の人員体制を教えて下さい。普段LINCLEはどのように使われていますか。
寺田さん:現在は薬剤師2名、事務スタッフ1名で運営しています。 少人数で運営しているので、誰でも在庫管理ができるようにしたいんですよ。そうすれば手の空いた人が作業をすれば良いとなりますよね。
タスクシフトといって、以前は薬剤師主体でやっていた在庫管理業務を、事務スタッフでも行えるようにしました。特に発注と入庫に関する業務は事務スタッフが主に担当してくれています。
LINCLEは多くの業務を自動化してくれているので、誰でも発注業務や在庫管理ができます。誰かが不在になっても在庫管理業務が滞らない体制ができました。
─今、発注業務にかかっている時間は、1日にどれくらいですか。
寺田さん: 自動発注される1時間前にLINCLEが発注量を決めてくれます。その計算結果を見てチェックするだけなので、かかっている時間は数分だと思います。いつの間にか作業が終わっているというか、片手間にやってるくらいの感覚ですね。
発注業務だけでなく納品業務に関しても、医薬品卸から届く納品データをチェックするだけなので時間はあまりかかっていないです。
出荷調整などで医薬品が入ってこないときなどは設定の変更が必要になることもあって、その作業は私が担当することが多いですね。
─出荷調整時の設定変更というのは、どのようにされているのですか。
寺田さん:出荷調整で入ってこなかった医薬品は一時的に自動発注されないようにしています。そして、その医薬品をLINCLEのホーム画面にあるメモ欄に書くように決めているんですよ。
ホーム画面は必ず目にするので、ここに書いてあれば全員が把握できます。情報共有にはとても役に立ちますね。
医薬品の流通が回復したらまた自動発注されるようにするのですが、メモがあれば設定を戻すことを忘れずに済むという効果もあります。
実はこのメモ欄、最初はあまり使っていなかったんです。他の店舗がここに書いているという話を聞いて、それはいいかもと思って使い始めました。
毎日発注担当が代わる店舗などでは、ホーム画面に書いてあると分かりやすいですよね。
─なるほど、普段とは違う対応をするときは情報共有が大事なのですね。いつもはLINCLEの自動発注機能を使われているのですか。
寺田さん:基本は「自動で発注するもの」だと思っているので、手動で発注する医薬品は少ないです。 発注回数もなるべく減らしています。
普段あまり調剤しないような医薬品の処方箋をお受けした場合など、「今日、明日の医薬品がもう足りない」というときは手動で発注をかける必要がありますが。
─普段処方される医薬品はある程度決まっているのでしょうか。
寺田さん:お隣が整形外科、目の前に内科があり、持ち込まれる処方箋の8割はこの2軒からです。 でも残りの2割は広範囲から来られます。
複数の医療機関から処方箋を持ち込まれるので、普段使用しなくても在庫している医薬品の種類は多いと思います。お隣の整形外科に来られている患者さまが、離れたところで受診された処方箋をお持ちになるケースも多いですね。
─医薬品の種類が多いと在庫管理は大変だと思いますが、寺田さんにとって薬局の在庫管理とはどういうものだとお考えですか。
寺田さん:薬局の在庫は財産です。期限切れで廃棄ロスを発生させないようにしたいと常に思っていますね。
LINCLEの導入によって、薬剤師も事務スタッフも在庫の動向が把握できるようになり、薬局内の全員が共通認識を持てるようになりました。皆で協力して廃棄ロス削減に取り組んでいます。
─LINCLEの導入は廃棄ロスの削減に効果的でしたか。
寺田さん:LINCLEの導入前は、経験と勘でこの医薬品は500錠あった方が良いだろうと決めていました。しかし、LINCLEが需要予測をした結果を見ると、本当は300錠しか必要ないんです。
導入当初は発注する医薬品の少なさを見て、「こんなはずはない」と思いました。でも発注を重ねていくにつれて、「今までこれだけ無駄な在庫があったんだ!」と気付くことができました。 まさに目から鱗が落ちる思いでしたね。
─確かに、無駄だと思う前に「こんなはずはない」となってしまうかもしれませんね。
寺田さん:いつもはもっと多くの医薬品があるから棚が寂しい気がするんですよ(笑)最初はびっくりしましたが、今は適正な在庫量になったと思います。
今まで予測や発注のシステムを使っていない薬局がLINCLEを導入すると、最初は戸惑うと思います。でも、実際に店舗の在庫量はかなり減るのではないでしょうか。
─LINCLEを導入したことで在庫量の適正化を体感されたわけですね。
寺田さん:今LINCLEが使えなくなったらと思うと不安です。もしLINCLEが動かない状態で発注業務をしようとしたら、「私は何を頼んだら良いのでしょうか」となってしまいます。
医薬品棚を見て、不足分を正確に判断できるかな。以前は普通に行っていたことですが、今はもう出来ないかもしれませんね(笑)
─LINCLEでよく使う機能はありますか。
寺田さん: 他店在庫参照の機能はよく使います。新しく医薬品を採用するときに、皆さんが使っている医薬品を発注するのが一番安全かなと。
同じ医薬品を採用していれば、もし不動在庫になっても店舗間で受け渡しができるので、廃棄ロスのリスクを軽減できます。
─先程の廃棄ロスを少なくしたいというところに繋がっていますね。
寺田さん: 不動品管理の機能も使いやすいです。処方が出ていない期間と、有効期限が近いものを一括で検索できるところが気に入っています。そこから金額の高い順に並べ替えをしたりと、緊急度の高い医薬品を抽出することで、廃棄になる前に優先的に対策ができます。
LINCLEではブラウザのタブを複数開いて、別々の機能を同時に見れますよね。ここも使いやすいポイントだと思います。
─LINCLEを活用して今後取り組んで行きたいことはありますか。
寺田さん: もっと患者さまに向き合っていきたいです。今は服薬フォローに力を入れているのですが、この地域の方が、気軽に医薬品について相談に来れる薬局であれば良いなと。
小さな店舗の割に患者さまは多く来ていただいているんですね。患者さまから見たときに、業務に追われて忙しそうにしているより少し暇そうに見えるほうが相談しやすいと思うんですよ。そうした部分でLINCLEは発注や納品業務に時間がかからないのがいいですね。
在宅訪問での服薬フォローも行っていますし、近年は薬局の業務も変化していると感じます。LINCLEのように便利なシステムを使うなど、時代についていけるように自分自身も薬局もアップデートは必要です。その上で「地域密着を忘れずにいたい」というのが私たちのテーマです。
─寺田さん、ありがとうございました。
品目数 | 約1,200品 |
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処方箋応需枚数 | 約1,700枚/月 |
人数規模 | 薬剤師2名、事務スタッフ1名体制 |