LINCLE 導入事例
佐賀県 伊勢薬局神野店
管理薬剤師 江原竜治さん
伊勢薬局神野店は佐賀県では数少ない脳神経内科の医薬品を取り扱う薬局です。珍しい医薬品を取り扱う上で、一番の心配は欠品が発生すること。在庫管理をシステムに任せることは不安だったとのことです。不安はどのように払拭されたのか、効果的なLINCLEの活用方法など、管理薬剤師の江原さんにお聞きしました。
─LINCLEを導入してからの変化についてお聞かせください。
江原さん:在庫の金額は導入前と比べて約20%ほど少なくなりました。当薬局では長期処方の医薬品も多いので、在庫管理をシステムに任せることには不安もありましたが、LINCLEはその点に対応してくれています。
長期処方では患者さまが来局されるタイミングによって医薬品が不足することもありますが、自分たちで在庫管理をしていた頃より欠品することは少なくなりました。それでも、在庫が増えたり、不要な医薬品を在庫するようなことはないです。私たちが管理するよりもシステムの方が正確ですね。
在庫を正確に把握してくれているので棚卸も楽になりました。棚卸のための残業もなくなったんですよ。
そして一番実感できるのは、日常業務で在庫管理の時間がほとんどなくなったという点です。発注も手間がかからないですね。自動発注される30分ほど前にカートの中身をチェックして、問題がなければそのまま自動で発注されるのを待つだけです。
─LINCLEを知ったきっかけや導入の決め手になった点を教えてください。
江原さん:メディカルシステムネットワークさんの勉強会に参加したことがきっかけです。在庫管理システムの取り扱いがあることを聞いて、営業の方に内容を説明していただきました。他にも候補はありましたが、将来性を考えるとLINCLEの方が良さそうだと感じて導入を決めました。これから多くのアップデートもあるということでしたので、面白そうだと思いましたね。
─こちらの薬局で取り扱う医薬品に傾向はありますか。
江原さん:門前に小児科と脳神経内科がありまして、小児科では上気道炎、感冒や発熱に対する医薬品の処方が多いですね。脳神経内科に関しては、主にパーキンソン病、脳神経系の難病、あと認知症と偏頭痛などがあり、取り扱う医薬品には偏りがあります。
─脳神経内科と脳神経外科の違いは何でしょうか。
江原さん:簡単に言うと、MRI等で画像診断したときに、何かしら疾患が見えた場合は外科の方です。何もなければ脳神経内科になります。症状があっても見た目には分からないです。佐賀市内でも脳神経内科を掲げているクリニックはここだけだと思います。佐賀県だけでなく福岡県など遠方からも患者さまが来られます。ですので、この規模の薬局にしては品目や在庫金額が多くなってしまうんですよ。卸さんから「県内でも指折りの金額ですよ」と言われることもありますね。
─LINCLEの導入前には在庫管理システムを利用していましたか。
江原さん:いえ、在庫管理システムはなく、発注機のみを利用していました。自分たちで医薬品の在庫量を決めて、箱が空いたらバーコードで読み込んで発注していました。患者さまが増えてくると、肌感でこの医薬品が少ないから増やそうかといった判断をしていましたね。
─在庫を増やした医薬品は、患者さまが減っても多いままだったのですか。
江原さん:そうですね。棚卸の時に気付いて、そういえばこれは出ていないなと。では減らそうということもありました。
─LINCLEの導入後は自動発注前に発注カートをチェックする管理に変わったのですね。
江原さん:そうですね。LINCLEは在庫量をほぼ正確にしてくれるので、発注量を確認するだけで良くなりました。
─LINCLEで自動発注をするようになって、在庫量が削減されたのですね。
江原さん:そうですね。削減されて適正になっていると思います。発注を自分たちで調整するにしても、自動発注にしていない医薬品を追加するとか、卸さんの在庫が少なく、危ないかもと言われた時に、1箱の発注を2箱に増やすなどですね。
─自動発注をしない医薬品としてはどのようなものがあるのでしょうか。
江原さん:手動発注するものは保冷品や返品不可品、金額が高いものですね。偏頭痛の注射は1本単価が高いので完全に手動発注です。手動の発注方法は以前と同じように、3箱を開けたらLINCLEのカートに3個追加するなどしています。
─LINCLEでの発注はどのように運用していますか。
江原さん:ほとんどの医薬品はLINCLEが自動で計算してくれる「安全在庫」に合わせて発注するようにしています。患者さまの人数が少なく、かつ高額の医薬品に関しては来局予測の機能も使って対応しています。ただ医薬品が入荷しにくい状況なので、安全在庫数にプラス数百錠と足しておくものもあります。本当はプラスしたくないのですけどね。
─LINCLEの発注量を調整して出荷調整の対策をされているというお話は多く伺います。医薬品流通に滞りがなければもっと最適化できそうですね。
江原さん:もっと在庫量や発注量は絞れると思いますが、今の状況では絞ってしまうと欠品が怖いのでできないですね。それでも在庫金額は以前よりも削減できているので効果は出ています。
LINCLEでの自動発注は、安全在庫、来局予測、発注量調整など、薬局や患者さまの状況に応じて医薬品毎に最適な設定が可能です。実際の運用方法についてはお気軽にお問い合わせください。
─導入当初、在庫管理をシステムに任せることが不安だったとのことでしたが。
江原さん:導入するにあたっての一番の不安は欠品でした。自分たちで在庫管理をしていても欠品は発生するのに、システムに任せたらもっと増えるのではないかと考えていましたね。しかしLINCLEの導入後は欠品することが減ったことを体感できました。欠品を減らせた上に在庫金額も削減できたので、導入して良かったと思っています。
─LINCLEで在庫管理をするにあたって、使いやすい部分はありますか。
江原さん:未入庫一覧が役に立っています。出荷調整などがあっても一目で届いていない医薬品が確認できるので、発注する品目を変えたり、卸さんに入荷時期を問い合わせたりしています。
それと店舗間の小分けがやりやすくなりました。以前は系列店舗間で医薬品を移動した記録が取られていないことがあったのですが、全くなくなりましたね。現在は医薬品をもらう側が入庫出庫の処理をLINCLEで行うというルールを決めています。LINCLE同士でやり取りするから整合性が取れるので使いやすいです。表示されている在庫情報が古いということもなくて安心です。
─棚卸の残業がなくなったというのはすごいですね。
江原さん:はい、以前は棚卸にとても神経を使っていました。しかしLINCLEを導入してからは在庫量が正確に出てくるので、数字を合わせるだけで良くなりました。この点はとても助かっています。
─日々の発注の時間も削減されていますか。
江原さん:LINCLEの導入以前は全てバーコード発注でしたので、最低でも30分程度はかかっていました。今は自動発注前の確認だけなので数分で終わります。薬剤師が発注作業をしていることを考えると時給換算で圧倒的に削減になりましたね。将来的には事務スタッフに在庫管理を任せようと考えています。在庫管理は薬剤師でなければできないわけではなく、そんなに難しいことではないです。既に納品の登録や店舗間の入出庫管理は任せていますので可能だと思います。
─これからLINCLEの導入を検討されている方に向けて、導入して良かったと言えるポイントはありますか。
江原さん:日常業務の中で在庫管理の時間は圧倒的に短縮されます。LINCLEの導入以前は発注業務に30分程度はかかっていました。年末年始など忙しい時期は、患者さまの動向を見ながら考える時間も含めると1時間ぐらいはかかっていましたね。それが数分で終わるようになったので、かなりの時間短縮です。導入前は欠品が増加することを心配していましたが、当初の予想とは逆に欠品が減少し、在庫量と在庫金額も削減できました。
LINCLEでは発注業務を完全にシステムに任せることもできますし、手動での発注も自由に行えます。入荷状況に不安がある医薬品などは手動発注を選ぶこともでき、LINCLEに任せるか手動に切り替えるかは柔軟に対応できます。融通が効くので安心感がありますね。
画面も見やすく、クラウドなので動作がスムーズです。さらにアップデートも継続的に行われています。導入して本当に良かったなと、悪いところを探すのが難しいくらいです。
─ありがとうございました。
品目数 | 約1,300品 |
---|---|
処方箋応需枚数 | 約1,250枚/月 |
人数規模 | 薬剤師3名 事務スタッフ3名体制 |